大海原を行く2

いつもの5,6人が横断を決意し仲間の一人がサバニで伴奏してくれることになった。
隣の島まで42km、だからと言ってスペシャル練習をしたわけではなかったが、それぞれに強者だった。
「来週の何曜日に行くぞ」という乗りで決行した。

どこかに届けるのでもなく、親に話すでもなく。

仲間の一人が高校生時代に家出を決めて、沖縄まで28kmを手漕ぎボートで行った豪の者だった。

その後輩は、水球の国体選手で、サメ対策のオリがあれば楽勝泳いで渡ると豪語していた。

私は、ラグビーほぼ現役で疲れ知らずだった。

そんな仲間だから前日に計画の確認、と言っても出発時間の確認だけしか記憶がないのだが、結団式をいつものスナックで行い翌朝7時に出発した。

スナックでは、計画を知った他のお客さん(友人だけど)の激励を受け何回も乾杯、正確には与論献奉を受けた。気が付けばなぜか私だけ朝5時まで激励されていた。

そして、最年少の私の到着を待って出発。
酒はかなり強い方だったが、二日酔いで波がなくても何回もこけた。
沖の大海原に出ると二日酔いどころではなかった。
うねりで隣の仲間が波間に消えたりするのである。

落っこちてのんびりしているとおいて行かれるし、海の色は、もう真っ黒でサメが出そうだし、命がけのというものを少し知った。
自分を動かすのは、自分であることを体の奥底で感じた。これは、貴重な気づきとなった。

だからもう落ちたと思った次の瞬間には、ボードに飛び乗っているのである。あの早業は、経験者ならうなづける動物的、本能的なものと思う。

酔いもさめて、調子が出てくるとうねりと追い波のリズムに合わせてスピードが上がっていく。
うねりのトップは、風を受け谷間は、風が入らない。
サーフィン状態を続けるほど速いことも分かってくる。

うねりの頂上で見る沖永良部島は、まだ遠い。

つづく

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