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道の島の視座

道の島の視座

これは、東北大震災前の新聞投稿の抜粋です。問合せが多いので掲載します。

今東南アジアの発展が目覚しい。この国々は私たちの群島と同じ道の島であった。日本とこの地域の歴史を大まかに見ると世界の強国が衝突を繰り返してきた地域であり今日もその延長にあることが分かる。
その発展を突き進むとかつて日本が歩んだ道を少なからずたどる。発展途上国の全てに言えるかもしれない。
先進国(過去においては列強)の経済進出(植民地化)を押し止め自立発展への道は、日本の明治維新の頃や第2次大戦後に急速に発展してきたことと相似しており、当時の日本の努力や苦悩が理解されると思う。
過日、国営放送で取り上げていたが、「日露戦争は、第零時世界大戦と呼ぶべき」ということが明かにされつつあることもこの地域が、世界の強国に翻弄されてきた証である。
有色人種を進化の途中と信じて売買、奴隷にしていた欧米に侵略されずその地位を向上させ続けた日本の姿が見えてくることと思う。
マレーシアのマハディール元首相のようにかつての急速に発展した停滞するまでの日本を評価する人たちが一般人の中にも増えてくると思う。そこに新たな友好関係と経済圏が築けると期待できる。
沖縄県が東南アジアへ市場を求め既に進出していることは、さすが貿易立国を国是としていた琉球である。見習いたい。本地域の視座は「道の島」に立ち返るべきと思う。
さらに当時の日本の急速な発展の原動力を考えてみると、時の政府、国民の危機感と努力はもとより、総じて日本の知的レベルの高さ、武士の臭いが残る指導者層の胆力、技術者層の知識の吸収力と応用力を抜きには考えられない。今よりもずっと少ない人口の中から輩出された俊英たちの一途な、懸命な活躍の賜物である。
この知識の吸収力は、遠く遣唐使に見るようにこの国は有史以来、常に一流国の知識や技術を学び続け吸収力が国民性になっているのではないかと思う。日本の発展は、偶然ではなく弛まぬ努力の上に成り立っていたのである。
島でもかつては、「内地に追いつくために子に学問をさせなさい」と言われていた事を思い出す。これからも地域の発展のために学問の振興、大学の誘致を図るべきであることが分かる。引退した奄美出身者や奄美好きの教授を募って「浜学校」のようにできないかとさえ思う。
ところで「失われた20年」といわれる政治には疲れるのだが、追いつき追い越した後、日本は目標を失ったように停滞している。歴史に誇りを持って努力を続け独自の理想社会を示す立場になったことに自信を持って進む成熟期を迎えたと捉えたい。
国が成熟期ゆえに地方の役割が、藩政以来再び大きくなり地域興しや地域特産、地域文化が注目され地方の成熟こそが国の発展の原動力になる。地方分権は必然と言っても良い。人材の田舎返りが求められる。
繰り返しになるが、私達の地域においては、経済的にも「道の島」の視座でこれからのビジョンを描くことが理にかなっていると思う。以前から言われているように島の文化力を研き伸ばし創造し、発信する時代ということである。交易に資するほどに。
ところで、そのためにも私たちは欧米の圧力をはねのけた明治維新の頃を矜持がもてるほど理解しているのだろうか。いや、第2次大戦後の戦勝国指導の元の教育はそのようなことを許していない。
先に述べた俊英たちの偉人伝が教育に取り上げられなくなったのはいつからか、その目的と結果は総括されたか分からない。
薩摩の侵攻しかり史実は正しく受け継がれていくべきである。
今日の混迷の遠因とも思える。歴史は、いつも戦勝国のものであったことも自身に充てて考える必要がある。
歴史の激動と外国の圧力は、船が最大の交通手段であったためこの地域にも痕跡が残っており、世界史に通じる「道の島」が垣間見える。
帆船の大航海時代とその後の産業革命を経て蒸気船の発明と共に再びやってきた帝国主義の西欧列強と遅れて来たアメリカのその痕跡を明かにする郷土史編年は、島の歴史を自分達のものにすることであり、世界情勢の変化と共に歩んだ日本の歴史を浮き彫りにする。
「道の島史」は、発展途上国にロードマップを示すことでもあると思う。
とすればつまりは、国益にもかなう。
私たちの島は世界にむけて発信できる貴重な情報を有しており、ビジョンの1つとして「世界交易史研究所」の創設を核とした展開を島の活性化に提案したい。
 周辺国の発展は、脱西欧型の日本的、島的リゾート地としての可能性が残されていることと既に述べたように国益の絡み合う辺境の地域であることを生かす上でも重要な施策と考えている。

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